Boss Tenorsを聴く

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このアルバムはかなり昔からCDで聴いており、今回レコードでオリジナル盤を入手できたのでじっくり聴いてみた。このアルバムでは、ジーンアモンズのホンカースタイルのテナーサックスとビバップスタイルのソニースティットという全く異なるスタイルの二人が吹いているのが面白い。

 

A面はブルースが中心でとにかく盛り上げまくるアモンズが素晴らしく、スティットはさすがに上手いが豪快さには欠ける印象。それがB面になり、スティットがアルトを吹き始めた途端に形勢は逆転。技がありながらも伸びやかに唄うようになる。やはりスティットはアルトが素晴らしい。ただの勘に過ぎないが前半でスティットはアモンズに負けていると感じてアルトを一曲吹いて流れを変えたかったのかもしれないな。

 

ボステナーズというアルバムだからスティットは再びテナーサックスに持ち替え最後は枯葉。アルトの勢いを持ちつつテナーサックスを吹いたおかげかこの曲もよかった。これが初めからテナーサックスとアルトサックスの2管だったらさぞ微妙なアルバムだっただろう。やはりテナーサックスに戻すのが正解だと思う。

 

昔はテナーサックスのバトルのアルバムと思っていたが、上手い具合にお互いが寄り添い、スタジオ録音にもかかわらずものすごく盛り上がったという奇跡的なアルバム。これはテナーサックス吹きは聴くべきだろう。