山本剛のBlues for tee
関内ジャズの廃盤セールに行ってみた。整理券は7番でまずまずだったが、先頭のジジイに根こそぎブルーノート盤を持っていかれて惨敗。それでもめげずにレコードを掘ってはみたものの、検盤したらキズが目立ち、B+でも怪しい雰囲気。高額盤は危険を避けて、手頃なレコードを探していたらこれがでてきた。
山本剛 Blues for tee
確かTBMをThink!レーベルで復刻しており、田中伊佐資の本でこのアルバムを紹介していたので覚えていた。臨場感溢れる音が詰まっており、ライブに来た気分。ピアノもブルースでよくぞここまで盛り上がれるなぁと思うほどのソロ。実に良いアルバム。
欲しかったレコードは買えなかったが、もし買っていたらこのレコードとは出会わなかった訳でその意味ではジジイに感謝だなぁ。
レコード視聴
何枚かレコードの視聴をした。
アナログプロダクションのサキコロ
これはケビングレイがモノラルマスターテープからマスタリングしたとのことで期待した。
私の勝手な感想ですが、、まずサックスが奥に引っ込んでいておとなしい。サックスの音の細かいニュアンスは細かく表現されている。すごく細かく音を拾った録音を聴いている感じで眼前に演奏を聴いている感じはしない。ドラムのシンバルの音が前に出ている。オリジナルもしくはセカンドプレスでも良いけど聴いたことある方はお分かりだろう。ヴァンゲルダーのカッテイッングではえげつないほどにロリンズの音が入っており、音が歪みを感じるくらいの勢いなのだ。それがヴァンゲルダーのような感じが好きな場合は、ケビングレイのマスタリングは気に入らないと思う。私はあまり好みではないなぁ。でも3千円なら文句ないか。
ブルーノートを忠実にコピーしたというClassic recordsレーベルでこちらも視聴。
こちらはフロントが前に出ているのは良いけど、バックのリズム隊の音が驚くほどしょぼい。。私も何枚かClassic recordsのレコードは持っているけど音量を上げるほどそのチープさがわかる。やはりブルーノートは、ブルーノートなんだろうなぁ。
子供の感性
久しぶりに3歳の娘にサックスを聴かせる。
サックはアメセルマーク6の9万代である。曲はHank MobleyのDis I dig of you。
娘は一言。音が薄いね、銀色のサックスのほうがいいよと。
ちなみに銀色のサックスというのは、サブ楽器として持っているConnのチャーベリーのシルバープレートのこと。たぶん、なんとなくそう思っただけと思ったら、娘が続けていう。
試しに銀色のサックスを吹いてごらんよ、そっちのほうが音がいいから。
私自身、Connのほうが音が良いとわかっている。3歳の子供でもわかるんだなと感心した。ちなみにうちの娘はほぼ毎日ジャズを聴いて、アマチュアやプロのライブに行き、家ではレコードを聴かせている。かなりジャズ耳になっていそうだ。
演奏する機会
思えば、最近はセッションにもいかず、ライブもしていない。やる気がなくなったのか?というとそうでもなく、自宅の防音室でずっとサックスの練習をしている。フレーズを作っては試しの繰り返し。
ジャズというのは、個人技としてのボキャブラリーがあって初めて演奏時の会話が成り立つ。ボキャブラリーがないと会話にならないのは我々が普段行う会話と同じ。普段の練習では、カラオケをバックに練習しているが、実際に人と合わせた場合に音の会話ができると嬉しい。
過去にいろんな場所で演奏したが、音の会話はしていなかった。というかできなかった。
それができないなら人と演奏するのも申し訳ないと思うようになり、まずはジャズで自分の言葉で会話ができるようになろうとフレーズを作ってみたりとよく考えるようになった。とにかくこの作業は時間と根気を要する。
修行僧のような気分であるが今はこの作業をやるのが間違いない。
小粒だが秀作
最近の自分の好きなレコードの傾向は、派手ではないけど聴いているとなんとなく良いなという作品が多い。MilesでいうとMusings of milesとかwith modern jazz giantsなんかがそれに当たる。おそらく多くの人が好きなアルバムは、Kind of blue, Round midnight, Relaxin', Cookin'あたりだろう。
今日はまた渋くMiles Davis Quintet/Sextet
個人的にはB面のリラックスした雰囲気が好きだ。リラックスというと締まりのないダレた演奏もあるが演奏が良い。気分がなんとなく焦っている時や忙しい時に聴きたいアルバム。