趣味と健康
趣味を楽しむには、心と身体の余裕が必要だ。それにしても最近は体調が思わしくなく、サックスを吹くこともオーディオを楽しむこともできない。断続的に咳がでるが、咳はほんとうに体力を奪う。
ジムに行ったり、無理にサックスを吹いてみても翌日に悪影響が出てしまう。この咳だが、かれこれ2ヶ月近くになり、未だに改善してこない。まったくどうしたものだろう。
珍しくサックスのマウスピースを注文した。半年ほど考えてはやめてを繰り返したが、病気から回復したら必ずサックスをやると決意して買ったものだ。病は気からという言葉もあり、自分の気持ちが変わればこの病気も治るといいのだが、、
音の肝は電源と息
結局は、ハンクモブレーのHi voltageは返品してしまった。私は返品はしない主義なので返品するのは珍しい。このレコード、ステレオ盤で盤はキレイなのにやたらノイズが入る。こうなると音楽よりもノイズが気になり、音楽に集中できない。私はオリジナル盤至上主義でもなく、好きな音楽が気持ちよく聴けることを好む。そのため、オリジナルの傷ありでノイズがあるよりもリイッシューで傷がないほうを選ぶ。今回は珍しくオリジナルでノイズがあるものを運悪く引いてしまった。ステレオ盤だと注意深く検盤しても難しい。やはりモノラル盤を意識して選ぶべきか。
オーディオの電源をなんとかしようと思い立ち、アコースティックリバイブのRBR-1をレンタルするもプラグの大きさが合わずに断念。変換プラグを買って試しても良いがなんだか面倒になってしまった。オーディオに関しては、パワーアンプの調子が悪かったりと不調で思ったような音が出せていない。勢いが大事だが、うまくかみ合わず。
サックスに関しても同様で年末からの咳喘息のためこちらもイマイチ。オーディオの肝が電源だとするとサックスの場合は息の量とスピードになる。息が足りないとどんな高額なサックス、マウスピースを使っても良い音がでない。逆に言えば、息の量がたくさんあれば楽器、マウスピース問わず良い音はでるのだ。オーディオもサックスも肝の所は理解していてもうまくいかないのはもどかしいなぁ。
2018年 レコード一枚目
ステレオだと特に予定はなかったので部屋にこもってドラクエ三昧も悪くないが、妻と娘も仕事でいないので出かけてみることにした。吉祥寺のユニオンに寄ってから、早めのお昼のプランで。目当ては廃盤の売れ残りであるHank mobleyのHi Voltage。レコードで買うほどではないが、ステレオオリジナルで盤質Aで4320円なので買ってみた。
モノラルが良いけどまずはステレオを聴いて内容が良かったら買うかどうか決めることにする。こんな感じでまずはステレオプレスを買うことが多い。ステレオだとどうもノイズを拾うので盤としては良いが再生は微妙か(値段相応ですな)。
それにしても最近は物欲も増してきて、欲しいものがいくつかある。価値があるものはそれなりに値段もするのでヤフオクでサックスの小物とレコードを処分することにした。出品してすぐにハンクモブレークインテットが落札される。最近では、ブルーノートのオリジナル盤の高騰が2ndまで及び、モノで良い音を楽しむにはプレミアム復刻が値段的には手頃なんだろう。音ははっきりしない音なんだけど、モノラルで聴きたいんだろうなぁ。
ついでにMusic Mattersの45rpm盤も出品。こちらは落札されず出品中。個人的にはMusic Mattersのほうが音がクッキリしていて好みではある。ジャケットの写真もこちらのほうが雰囲気がある気がするのだが。ジャケを比較すると光の具合が全く違う感じに処理しており、見た目の肌の色から想像してもこちらが近いかも。
サックス マウスピース考察
サックスのマウスピースは同じものを使い続ける人としょっちゅう変える人がいる。
私は定期的に変えるタイプだが理由がある。マウスピースってのは、その時の自分の状態によって最適なものは変わっていく。あのジョンコルトレーンでも沢山のマウスピースをカバンに詰めて、その時の自分にあったマウスピースを使っていたらしい。それくらい人間とは一日ごとに変化するものである。
音楽とは異るがメジャーリーガーのイチローは体調を一定にするため、食事は妻のカレー。アニメーターの宮崎駿も確か食事は同じものを食べていたはず。変化に敏感な人ほど自分を一定に保ち、なるべく変化しないようにしている。
話を音楽に戻すと人は常に変化し続ける。サックス、マウスピースは経年変化するものの人ほど大きな変化はない。リードも天然素材で一枚ごとの違いは大きい。そう考えると変化をリードで管理するしかないが、マウスピースで管理するのも良い。その時の自分にあったマウスピースを使うのが良い。そのためにどんなマウスピースでもリードでも息の量、スピードをコントロールできる技術が欲しい。
マウスピースであるが、前からずっと気になっているものがある。その前にマウスピースの開きに悩む。今は開きを狭く、リードを厚くしているが音量がやや小さい。音量が小さいとライブでの迫力に欠ける。かといって開きを広げると今度は音程が取りづらいし、、
Boss Tenorsを聴く
このアルバムはかなり昔からCDで聴いており、今回レコードでオリジナル盤を入手できたのでじっくり聴いてみた。このアルバムでは、ジーンアモンズのホンカースタイルのテナーサックスとビバップスタイルのソニースティットという全く異なるスタイルの二人が吹いているのが面白い。
A面はブルースが中心でとにかく盛り上げまくるアモンズが素晴らしく、スティットはさすがに上手いが豪快さには欠ける印象。それがB面になり、スティットがアルトを吹き始めた途端に形勢は逆転。技がありながらも伸びやかに唄うようになる。やはりスティットはアルトが素晴らしい。ただの勘に過ぎないが前半でスティットはアモンズに負けていると感じてアルトを一曲吹いて流れを変えたかったのかもしれないな。
ボステナーズというアルバムだからスティットは再びテナーサックスに持ち替え最後は枯葉。アルトの勢いを持ちつつテナーサックスを吹いたおかげかこの曲もよかった。これが初めからテナーサックスとアルトサックスの2管だったらさぞ微妙なアルバムだっただろう。やはりテナーサックスに戻すのが正解だと思う。
昔はテナーサックスのバトルのアルバムと思っていたが、上手い具合にお互いが寄り添い、スタジオ録音にもかかわらずものすごく盛り上がったという奇跡的なアルバム。これはテナーサックス吹きは聴くべきだろう。
趣味を育てる
以前、大橋巨泉の本を読んだ時に歳を取るまでに3つ趣味を育てておくと良いという話が書いてあった。たしかに趣味があると人生は豊かになる。私の場合は、サックス、ゲームときて今はレコードの趣味を育てている。
レコードの趣味は意外と深い。レコードはCDと異なり、いつでも大量に在庫があってアマゾンで注文したらおしまいではない。レコードで特にジャズは基本的に中古である。中古のレコードはアメリカ盤、欧州盤、日本盤など様々でCDとは異なり、傷があるとノイズとして音に出る。また、オリジナルからリイシューまである。レコードは、リリースされた年に近いほど音は良い、つまりリアルで生々しいのだ。レコードのレーベルもブルーノート、プレスティッジ、リバーサイド、コロンビアなどのメーカーの録音エンジニアによっても音の傾向は異なる。
ちなみに絶対的に良い音というのはない。あるのは、多くの人が良いと思う音だけである。多くの人にとって良い音が自分にとって良い音でないこともある。その音を探すのもレコードの楽しみの一つである。